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二日間、プロジェクトの審査をしていて、似たような自分達のプロジェクトの一つを思い出した。二十数年前のことである。
田村安孝先生は30才ぐらいで山形大学の情報科学科に助教授として赴任された。当時、小生は30代後半の助手だった。小生が超音波の研究を始めたころである。 田村先生が私達の研究室に来られて、何か共同研究をしましょうということになった。 すぐに、テーマを決めるための勉強会を始めた。 「言葉」の問題で、なかなか前に進まなかった。 彼は信号処理の専門家で、小生は高分子の専門家。専門が違うと言葉のもつ意味が大きく異なる。 たとえば、『合成』。 田村先生はこの言葉から、合成積をイメージし、2つの信号から新しい信号を作ることを考える。 小生は、高分子の合成、つまり重合をイメージする。エチレンガスからポリエチレンを作ることを考えるのである。 たとえば、『圧縮』。 田村先生は、当時、アナログ信号をコンパクトに集中させることとイメージしていた。 小生は、プレス機械を使って、材料を変形することをイメージして使っていた。 ともかく、誤解を繰り返しながら、解きほぐしながら、田村先生の根気のお陰で、小生も少しずつ信号処理を理解していった。 そして、「高分子アレイトランスデューサーによる画像形成」という共同研究を、修士の学生さんのテーマとして始めた。 しばらくして、学会発表の後に、M社の研究員の方から「その研究を国のプロジェクトにしたい」との申し出があった。 すぐに、予算申請書と特許出願書とを作成した。 プロジェクトは3年間で5億円ぐらいの経費だった。その経費は国と会社が出してくれた。我々はプロジェクト研究員として、研究費をいただいた。研究場所は東京にあるM社研究所。 田村先生と2人で、せっせと東京に通った。 内容は、高分子の超音波トランスデューサーを利用した超音波望遠鏡の開発。 水中200m先のピンポン球ぐらいの大きさのものを、三次元画像として表示する製品の製作。 3年間で、無事、目的のものが出来たが、製品の価格は一台3億円ぐらい。 タンカーなどが、狭い海峡を航海するときに、使用することを想定していた。 結局、その製品は一台しか作られず、他には一台も売れなかった。 毎年、「今年も売り上げが0でした。したがって、特許料も0です」という手紙をいただく。申し訳ないと思う。 今回審査したNEDOのイノベーション推進事業助成プロジェクトは、平均25%が商品になり、その内の何件かがその商品を売って利益を挙げ、その利益の一部を国に返金しているそうだ。 当時の小生達の研究プロジェクトは、国への返金が出来なかった。
by yuyz
| 2008-11-29 10:56
| 出張
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