久しぶりに藤沢周平小説のドラマ化のDVDを見た。
20年ほど前のNHKの時代劇「清左衛門残日録」。藤沢作品の特徴である終わった後のぬくもり感をドラマがうまく表現できている。
ところで、この作品のポイントは息子の嫁の里江である。南果歩は小説の中の里江の雰囲気を見事に演じている。ちょっときつくて凛々しくて優しい嫁。
このドラマでの清左衛門の名セリフ。
「年寄りは自分に何ができるかと考える。成すべきことは成した。
何かないのか。
力が無くなり、世の中に通用しなくなったが、それでも何かできることはないのか。
いや、たった一つあった。それは美しく自分の一生の幕を下ろすことだ」
藤沢周平さんの考えが見事に語られている。
上記ドラマから19年経過した今、NHKの朝ドラで南果歩は主人公の梅ちゃん先生の母親役。主人に従順だが、少しだけ抵抗し、子供達をほんわかと心配し、世話をする。良い役まわりをしている。
顔、姿、雰囲気は20年経過した今も、不思議なほど変わっていない。若かりし頃の愛らしさがしっかり残っている。