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今日、A国立大学法人で教員をしている若い卒業生が研究室に来てくれた。
彼が言うには、「先生、研究どころではないですよ」。 「なんと!!!」。先日、似たようなことを博士課程の学生さんから聞いたばかり。 まずい。 「どうして、研究できないの?」 「頻繁に長時間の会議があります。また、財団へ研究費の申請をしたところ、ヒアリングに来いというので、行ってきました。さらに、JSTの研究費の申請書書き。とても実験できる精神的ゆとりがありません」 「そうか、でも、それはごく普通の大学教員のように思えるよ。ところで、会議をさぼれないの?。小生、若いときにはよくさぼっていたよ」 「今は、時代が違いますよ。さぼっていたら、自分の居場所が無くなります」 「財団とJSTの研究費はいくらぐらい?」 「それぞれ、100万円程度です。財団のお金は旅費に使えないので、特に、JSTの研究費がうれしいんですけど」 「なるほど。しかし、小生の助手時代は、夏と冬のボーナスを出張旅費にあてていたよ」 「先生、時代が違うんです」 「そうかもしれないな。小生の若い頃は、講座費という名の研究費が教員全員に対して保証されていたし、研究費の申請も科学研究費補助金のみで、しかもその申請書は今よりは簡単だった」 そんな会話をしながら、6月24日付けの日経新聞の記事を思い出した。 内閣府の調査結果、『科学論文3年で1割減~国立大学研究者、法人化のしわ寄せ? 事務作業増え負担』。 記事にも書いてあったが、必ずしも論文数が研究の活性度を表しているのではないが、博士課程の学生さんや助教の人の話と関係ありそうだ。調査によると、 「法人化前に較べ、研究活動の時間が少なくなった」、 「資金獲得のための申請書類作りなど教員がかかえる事務作業が増えた」など。 さらに6月24日付けのNatureに出ている『FOR LOVE AND MONEY』の記事も思い出した。その記事によると、日本の研究者の満足度は、中国、インド、オーストラリア、韓国、欧米など16ヶ国の中で一番低い。これも上記のことと密接に関係しているはず。 これらのことを考えあわせると、やはり事態は非常に深刻だ。いや、深刻を通りこしているかもしれない。近い将来、若い優秀な研究者がいなくなって、大学教員になる人がいなくなる。 さて、どうするか。 この問題は、日本の将来の研究活性度の低下、研究レベルの低下、大学教員確保の困難さなどをもたらす。 今、解決しなければならないことだ。 雑用を少なくすること、一定の研究費を保証すること、研究論文の公表へのインセンティブと支援、………。 自分の身の回りから始めなければ。それと同時に、この深刻な事態を一般市民の人に知ってもらう必要がある。「発信しなければ」と焦ってしまう。
by yuyz
| 2010-06-27 18:47
| 研究室
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