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山形大学の教職員の新人研修があった。今年、小生は教育担当ということで、「山形大学の教育」を説明した。
まず、先日の卒業式での答辞の話を紹介した。その答辞では、卒業生が 「山形大学ではやりたいことを、やりたいように、やりたいときにやらせてくれた」 と言っていた。山形大学のキャッチフレーズは『何よりも学生を大切に』なので、この答辞での言葉は、山形大学に働く者の一人としてうれしかった。そこで、みなさんも是非、学生達が何かをやりたいと言ってきたら、それを実現できるように配慮してやっていただけませんかとお願いした。 その後に、山形大学の教育理念や3ポリシーなどについて説明し、シラバス、単位、授業料などについて、自分の思うところを話した。 その中で、学生が支払う授業料は年間535,800円、4年間では、200万円以上になる。学生の卒業単位は130単位程度であるから、一単位が約15,000円。一つの講義では学生が約30,000円払っていることになる。教室に100人いると、一つの講義では約300万円に。これを3つ、あるいは50人のクラスを6つ講義すると、学生たちが支払っているお金は、ほぼ教員の給料程度に相当する。しかし、大学にはこれより少ない授業をしている人も居るし、授業をしていない職員や我々のようなものもいます。そして、建物やユーティリティーなど多くのお金が必要なので、授業料だけでは足りません。その足りない部分を税金から運営交付金としていただいています。その金額は授業料の約2倍程度です。……。という話をした。 授業では、学生と教員が真剣勝負をしてほしいとの意味で話をしたが、身近な数字だけに、ちょっと、露骨だったかなとの反省。
「人の上に立つ者の哲学」というタイトルの講演会があった。
講師は岬龍一郎さん。講演の冒頭では、「『学生のときは全共闘で、いま管理職にあるもの』ということで、司馬遼太郎さんに呼び出された。そこで、司馬さんから『今のままでは、日本がなくなる』とお叱りをうけた」と話し始めた。 岬さんは博学と見識をもって、多くの話題を1時間半にわたって熱弁された。そのすさまじいまでの情熱は強烈な印象を与えてくれた。 武士道について多くの時間をさいて話されたが、講演の中で心に強く残った言葉。 「知識」、「見識」、「胆識」。胆識、つまり覚悟が無いとだめだ。 「武士とは死ぬことと見つけたり」(葉隠れより)。 「知行合一」(言ったことをなす:誠) 根性三原則、「逃げるな」、「あきらめるな」、「負けるな」。 仕事の成功=志x意欲x能力x人柄
若手の教員たちと意見交換をした。
そのときの会話。 「教授の許可を取らないと分かりません」 「えー、教授の許可が必要なの?」 「それはそうでしょう。私は○○教授の助教ですから」 「へぇー、そうなんだ」 そこにいた◎◎教授も、 「それはそうでしょう。助教は教授を助けるから助教という職名になっているのでしょう」と援護。 小生は、 「なるほど。でも、それでは「教授・助教授・助手」時代と同じだね」 「准教授は独立でしょうけど」 などともめだした。 そこで、小生はおもむろに、 「学校教育法によると、教授も、准教授も、助教もいずれも『教育と研究を行うもの』と書いてあるはずだよ。違いは、『特に優れている』か、『優れている』か、形容詞なしかだけだよ。助けるなんて書いてないよ」 「それでは、助教は教授とは上下関係にないのですか」 「上下関係にはない。もちろん、チームを組むことができるけどね」 「では、どうして助教は教授についているのですか」 「それはこちらが聞きたいよ。昔の助教授や助手は「教授を助ける」と学校教育法に書いてあったけど、それは古い話。今は時代が違うでしょう」 「そんなことを言っているのは先生だけですよ。実態は変わらないですよ」 「それは法律違反でしょう。法律を変えたのだがら、システムも変わっていくべきですよね」と、あまり法律を好きでない小生が法律遵守論をぶってしまった。
昨日、あるグループ会社の役員さんたち3人が来米された。
このグループ会社では、最近、会社間で役員の交流を実施されたとのこと。 一人の役員の方は、 「会社の歴史と生い立ちとでずいぶん社内の風土、しきたりが異なるのです」ときりだした。 「具体的にどのように違うのですか」 「私の赴任した会社は歴史が長く、古いしきたりが色濃く残っている。前の会社では、社長室はガラス張りで基本的にドアが開いていて、気軽に入れた。しかし、新しい会社では、カードキーを使って、二度もドアを開けなければ社長室に入れない」 「社長室だけなんですか」 「我々の在室ボタンがあるのです。部下は在室表示板を常に見ているのです。これには驚きました。明治時代のしきたりがいまだに残っているのです」 「山形大学でもありますよ」 「えー!!! そうですか。それは失礼しました」 「他には、どんなことがあるのですか」 「給与の明細が印刷されて、袋に入ってくるのです。前の会社ではメールで知らせてきて、暗証番号を入れて、PC上で見るのですが。そうしたらどうかと言うと。『社長から順番に給与袋を手渡すことが重要なのです』と拒否されましたよ」 「そういえば、山形大学でも給与明細の袋をくれますよ」 「そうなんですか。それ自体で経費がかかるのにね。大学も古いね。もしかして、決裁書に印鑑をいっぱい押しているのではないですか」 「そうなんです」 「会議資料には紙媒体を使っているとか」 「そうなんです」 などとの会話で、小生は肩身の狭い思いをした。
朝、気持ちよく晴れ、気分よく自宅を出た。
テレビでは、『大雪』、『大雪』と騒いでいるが、ここ米沢では、普通の靴で歩ける。 積雪130cmでも、ブルドーザーがしゃかりきになって働いてくれている。 駅まで、いつもより少し時間がかかるが、歩いて30分。 米沢駅に着くと、小生の乗る8時06分発の電車は1時間余り遅れているとのこと。 さて、どうするかと思っていると、構内放送で 「8時06分発の電車は遅れます。そこで、高畠、赤湯、上山、山形へ行かれる方は、次にまいりますつばさに乗ってください」 そこで、しばらく待って、つばさに乗り山形へ。特急料金は無し。ラッキー。 山形に着くと、大変なことに。積雪80cm。 三十数年ぶりの大雪が降っている。自動車が進まない。 大学内では、駐車できなくて困っている車がいっぱい。 たくさんの人が出て、雪片付けをしている。 山形は普段雪が少ないので、大変なのだ。 夕方、どうやって帰ろうかと考えていると、本部に工学部長がいるではないか。 「米沢に帰るのですか」 「はい」 しめた。工学部長の公用車に便乗させて下さいとお願いした。 2人で車に乗ると、運転手さんが「もう5人乗ります」と。 「え、誰が?」 「工学部の先生方です」 「どうしたの」 「今日、小白川で1年生の授業があったのですが、JRのすべての電車が雪のため運休になり、米沢に帰れなくなっています。そこで、一緒に乗っていくことになりました」 そうか、電車が全然動かないのか。驚いた。 雪はすでに小降りになっているのに。 7人が公用車に乗って米沢へ向かった。 しかし、雪で国道も大混雑。 普通なら、1時間のところを、3時間もかかってようやく米沢に着いた。
朝のニュースで東京は積雪4cm。
東京では、トラブルを起こした自動車が400台以上、けがした人は300人以上とか。 雪の少ない街の人は雪によわいのだろう。そういう小生も新年早々2回転んだが。 米沢は積雪80cm。 今日は天気が良いので、駅まで歩いた。空気の冷たさがぴりりと気持ちよい。 朝の学長室コーヒータイムでは、今日の記者会見が主な話題。 付属学校の懲戒問題。いろいろな話を聞きながら、小生が工学部長になってまもなくの記者会見を思い出した。あまり楽しい思い出ではないが、3時間ほど記者達からの嫌がらせに近い質問に答えたことがあった。 つづいて、山形のコンベンションセンターの方が来られて、学会などの開催についての話し合い。 午後は、厚生労働省の山形労働局長らが来られた。彼らが言うには、新卒について、これまでは高卒のみを対象にしてきた。最近では大卒の就職率が悪いので、大学の新卒者の就職のお世話をしたいとのこと。 我々としては歓迎。 次は、経済産業省の方々。 地域の産業の発展についての新たな政策作りをしていると。彼らの質問に対して一つ一つ答えた。 ただ、思いは通じるところがあって、話をしていて楽しかった。 現場を回ってから帰途についたが、外は寒い。 自宅について、ストーブのありがたさをしみじみ感じた。
今日の夕方、研究室卒業生の黒瀬さんが研究室に来てくれた。
最初は、「今年の4月に後輩が来てくれます。来年も是非後輩を送ってください」とまじめにリクルーターをしていた。我々の研究室からの卒業生4人がこの会社で働いていて、研究室出身の卒業生が最も多く働いている会社の一つ。 話をしているうちに、研究室の卒業生らしさが出てきた。 1時間ほど話をしてから、「だれか学生をつれて飲みに行くのか」と聞くと、「今回は予定していません」。 そこで、彼を誘って『よねはら』へ。 おいしい魚と熱燗をいただきながらの懇談。 まず、「彼女はどうだ」と質問すると。 彼は、「できました。昨年末に入籍しました」と。 こちらの予想以上の答えが返ってきた。 そこからが面白い。今の仕事の話、学生時代の話、今後の会社の話などで盛り上がった。
中央教育審議会(中教審)の答申「学士課程教育の構築に向けて」が3年ほど前に、文部科学省に提出された。
小生はいまだに学士課程教育と従来からの学部学科教育との本質的な違いを理解できないでいる。教育担当理事がこんなことではだめなのだが。 例えば、現在の学部学科教育の場合、工学部では卒業した人に学士(工学)を出す。卒業するためには、学生は、基盤教育とともに技術者倫理などの工学部共通科目、それにプラスして学科特有の科目からなるカリキュラムをこなし、学科の教育目標に到達しなくてはならない。その学科の授業は理工学研究科所属の教員が学科教育プログラム長の要請のもとに実施している。 特に、研究室に入ってから実施する卒業研究では、学生は自分でテーマに取り組むことによって、問題抽出と解決能力、プレゼンテーション能力やコミュニケーション能力、さらに自己管理能力やチームワーク能力などが磨かれる。 学士課程教育はどうかというと、「「学位授与の方針」と「教育課程編成・実施の方針」によってカリキュラムを作り、それを修得した学生を卒業させる」ことになる。 このように比較すると、本質的な違いはないように見える。 では、何が違うのだろうか。ときどき自分に問いかけている。 今日、基盤教育院の1人の教員に「あなたにとって学士課程教育とはなんですか」と、質問した。 すると、 「誰にも習わずに、自発的に課題を発見し、解決しようとする能力を学生に持たせること」 とすっきりとした答えがかえってきた。 この教員はさらに付け加えて、 「入学直後の学生にすみやかにこの能力をつけさせて、以後の一般教養や専門知識の獲得の基盤としたい。同時に、一般教養や専門知識は、この課題解決をしようとする能力育成の道具にもなる」 すばらしい。 この人には、学士課程教育の「こころ」が分かっていて、小生に一番わかりやすいところを教えてくれたようだ。納得した。
初出勤。
米沢市はぴりりと寒いが、太陽のまぶしい光もときどき射し込み、足取りも軽く歩きはじめる。今日は車も人も少なく快適。 電車の中も空いていた。 山形市に着くと雪が降り始めた。いつも通りに歩き始めたが、途中で転んだ。今年の転び初め。波打った氷の上に3cmくらいの新雪。おもわず左足を取られた。左腰を打つ。痛い。 ゆっくりと起き上がり、おそるおそる歩き始めた。 しばらく歩くと、今度は右足を氷の上の新雪にとられた。右腰を打ちながら道路に寝そべってしまった。しばらく雪の中に寝そべった。これで、両方の腰とも打ち、バランスがとれたことになる。 作冬は一度しか転ばなかったのに、今年は早々に二度も転んでしまった。 職場の部屋は正月休み後なので冷え冷えとしている。 新年の挨拶、学長室コーヒータイム、学長の新年の挨拶、役員会、打ち合わせなどで平常の仕事が始まった。
今日は、カナダのエコールポリテクニックのアブダール・アジィー教授を迎えた。
彼は、モロッコ出身。大学院からカナダに行き、そのままカナダに居付いて教授をしている。 彼は学振のプロジェクトで6週間日本にいる。 彼の研究室は、カナダからの学生は一人のみで、20人ぐらいが国外からだとのこと。一番多いのはイランからとのこと。少し驚いた。 カナダの企業は調子が良く、会社からの研究費が多く、政府からの研究費減少を十分に補っているとのこと。さらに、教授のサラリーは以前に少し下がったときがあるが、最近は上昇しているとのこと。日本はここしばらくはサラリーが減少ばかりだと言うと驚いていた。 アメリカは年間9ヶ月サラリーだが、カナダも同じかと問うと、12ヶ月サラリーだと。日本と同じ。 日本の大学教員には兼業というシステムがあり、会社などから直接教員にエクストラのサラリーが入ることがあるが、カナダではどうかと問うと、もちろん青天井だと。副収入としては、企業から直接得られるお金と、科研費のような大学のプロジェクトを通して得られるエクストラのサラリーがあるとのこと。後者は日本にはない。 研究のこと、大学経営のこと、エネルギーのこと、環境問題のことなどを話題にして、時間がつきない話し合い。 楽しい時間だった。 < 前のページ次のページ >
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