子供のころ、家では3月3日にひな人形を飾っていたので、そういうものだと思っていた。理由は考えたこともなかった。
そのうちに、3月3日は女児の節句だということが分かってきた。そして、ひな人形は女児の節句を祝うためのものだと聞かされた。
実家には、子供は小生のみで、女の子はいなかった。
ということは、母親は小生が女の子であってほしかったのだろうか。
3月3日は小生の誕生日である。小学生と中学生の時分には、自分の誕生日が嫌だった。なんとなく、人にからかわれているような気がしていた。ひな人形も好きではなかった。5月5日生まれなら良かったのにと思ったものだ。
今となっては、ひな人形の見事さを理解できるし、3月3日の誕生日にも抵抗はない。
毎年のように、研究室の学生や同僚、奥さま連中、眞映先生などが花やケーキで誕生日を祝ってくれる。
ただ、この歳になると、誕生日を迎えるのは、年寄るということであり、あまりうれしくはない。