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2010.9.11付の読売新聞山形版の「インク壷」欄に下記を掲載しました。ここに再掲します。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 最近、友人たちから「自動車をやめて不便ではないですか」としばしば聞かれる。というのは、今年の誕生日に運転免許証の更新をやめ、自家用車を手放したからだ。 思い起こせば19才の春、天童市内の運転免許センターで自動車の運転免許試験を受けた。午前のペーパー試験をなんとか最低ラインでクリアし、午後は難関の実地試験。パンと牛乳を買って、コースを眺めながら昼食。気が付くと、多くの人が数人ずつグループになり、コースを歩き始めている。小生も慌ててその中の1つのグループに入れてもらった。リーダー格のおじさんが言うには、「おれは、10回以上受験しているから、このコースのベテランだ」「この縦列駐車では、後ろが下り坂になっているので、気を付けること」「この下り坂はエンジンブレーキで」など、まるで、試験官のようだ。彼の言うことを頭に入れながら歩いた。 本番では、歩いた時に教わったことを1つ1つ思い出しながら運転した。 試験が終わって電光掲示板の前へ。合格者の番号がポツ、ポツと表示されていく。ドキドキしながら電光掲示板を見つめる。自分の番号がついた。ほっと安心し、ぼーっとしていると、しょんぼりしたリーダーのおじさんが、「おめでとう」と祝福してくれた。だが、おじさんの番号はなかった。切ない気持ちになった。 数年後、職を得て、マイカーを買った。それ以来、36年間、車生活を続けた。 5年前の免許更新の際、検査官は何回か視力検査を繰り返し、ぶつぶついいながらもかろうじて合格させてくれた。自分でも、運転している時、信号の存在に気が付かないことがある。夕暮れのドライブでは特に見にくく、ヒヤッとしたこともあった。 自動車を運転するのを止めようと決意したのは昨年秋。自動車が無くなるのを想定した生活がスタートした。ここはバス、ここはタクシー、ここは自転車でと。そして運転免許証の更新の日、愛車を友人に託した。 半年間の準備期間があったので、それほど支障なく車なしの新しい生活が始まった。6月初旬にはJRで板谷駅に行き、となりの峠駅までの山道をのんびりと歩いた。はかなげなフジの花が鈴なりになって大木の上から下まで流れるように咲いているのを見つけ、立ち止まり、しばし見とれた。自動車で走っていた時には気付かなかった、味わえなかった、新しい、楽しい発見がある。 このことを友人に話したら、なるほどという言葉が返ってきた。「1つの扉が閉ざされたら、別の扉が開くものですね」
by yuyz
| 2010-10-03 18:16
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